建国75年で軍事パレード 北朝鮮、中ロと「蜜月」
2023年09月09日18時04分
【ソウル、北京時事】北朝鮮は9日、建国から75周年の記念日を迎えた。朝鮮中央通信によると、8日に平壌の金日成広場で「労農赤衛軍」など民間防衛組織による軍事パレードが実施された。中国の代表団がパレードを観覧したほか、中ロ首脳は金正恩朝鮮労働党総書記に祝電を送った。北朝鮮は圧力を強める日米韓に対抗し、中ロとの蜜月ぶりを国内外に示した。
正恩氏は「ジュエ」さんとされる娘と共にパレードに出席したが、演説はしなかった。北朝鮮の軍事パレードは、朝鮮戦争(1950~53年)の休戦協定締結70年を迎えた7月27日夜に実施されて以来で、今年は3回目。パレードは夜間に行われたもようだ。正規軍が参加せず、大陸間弾道ミサイル(ICBM)といった兵器は確認されなかった。
中国の習近平国家主席は記念日に当たり祝電を送り、「伝統的な中朝の親善、協力関係を守り、発展させることは党と政府の不動の立場だ」と強調。ロシアのプーチン大統領も「全ての面で連携を拡大していく」とする祝電を寄せた。
記念日に合わせて訪朝した中国の劉国中副首相を団長とする代表団が、パレードを観覧した。正恩氏は8日、中国代表団と会談し、「各分野の協力事業を一層活発化させていく」ことで一致した。
中国国営新華社通信によると、北京の北朝鮮大使館でも8日に祝賀パーティーが開かれ、7月に正恩氏と共に軍事パレードを観覧した李鴻忠・全国人民代表大会(全人代)常務委員会副委員長が「両国最高指導者の重要な合意を着実に実行し、中朝関係のさらなる発展を推進したい」とあいさつした。
ロシアも軍の楽団「アレクサンドロフ・アンサンブル(赤軍合唱団)」をパレードに派遣。北朝鮮に駐在する中ロの外交官らも招かれた。