政府、水産業支援に万全 西村経産相「機動的に予算確保」―処理水で閉会中審査
2023年09月08日18時41分
東京電力福島第1原発の処理水放出を巡り、衆参両院は8日、閉会中審査を開いた。政府は、科学的な安全性を強調するとともに、新たに取りまとめた水産業支援策について説明した。西村康稔経済産業相は「支援に万全を期す」と強調。財源に関し「機動的な予算の確保」に努めると述べ、必要に応じ追加措置を検討する構えを示した。
水産業界には、中国による日本産水産物の全面禁輸で深刻な影響が広がっている。政府は新たに予備費から207億円を拠出し、風評被害対策などに充てる計800億円の既存の基金と合わせた1007億円の水産業支援の政策パッケージを打ち出した。
8日の審査で政府は、中国への輸出割合が高いホタテ貝を念頭に、国内工場で加工できるよう機器導入に必要な費用の3分の2を補助すると説明。海外を含め販路開拓を支援する考えを示した。
審査は、経済産業委員会と農林水産委員会の連合で開かれた。野村哲郎農林水産相は、処理水を「汚染水」と呼んだ自らの発言について「深く反省している」と改めて陳謝した。