キヤノンが初の女性取締役 来春起用、元消費者庁長官の伊藤明子氏
2023年09月07日19時58分
キヤノンは7日、取締役に女性を初めて起用する人事案を発表した。元消費者庁長官の伊藤明子氏(61)を社外取締役に迎える。来年3月の定時株主総会で正式決定する予定。
一部の米議決権行使助言会社は、女性取締役が一人もいない場合、経営トップの取締役選任に原則として反対を推奨している。キヤノンにはこれまで女性取締役が一人もおらず、今年3月の総会では、御手洗冨士夫会長兼社長(87)の再任に対する賛成率が50.59%にとどまる異例の事態となっていた。
伊藤氏の起用についてキヤノンは「行政の立場からの知見や見識をさまざまな事業領域で生かしてもらうため」(広報部)と説明した。
来春の総会に提案する新任の取締役候補は伊藤氏を含め6人。原案通り承認されると、取締役は現在の5人(うち社外2人)から10人(同4人)に、10人中1人が女性となる。