「国際卓越大」第1号に東北大 10兆円ファンド対象、候補選定―世界トップ目標、来年度から助成・文科省
2023年09月01日12時14分
文部科学省は1日、政府が創設した10兆円規模の大学ファンドを通じて支援する「国際卓越研究大学」について、審査していた有識者会議が第1号候補に東北大(宮城)を条件付きで選定したと発表した。文科省は来年度中にも助成を開始する。支援対象は「数校」としており、2校目以降の公募も行う。
東大や東京科学大などに期待感 国際卓越大落選も、有識者会議―大学ファンド
国際卓越大は世界最高水準の研究環境を整備し、授業料免除や生活費の支給により有望な人材を集めることで国際的研究力の向上が期待される。英語と日本語を共通言語とし、海外の主要大学との連携を視野に入れる。
永岡桂子文科相は同日の閣議後記者会見で、「研究力強化に向け、各大学の改革の取り組みを後押ししたい」と述べた。
文科省によると、初回公募に国立8校、私立2校が申請。総合科学技術・イノベーション会議などの一部メンバーらで構成する有識者会議が構想の実現性や難易度などを書面・面接審査し、東北大や東京大、京都大は現地視察を行った。
東北大は「未来を変革する社会価値の創造」「多彩な才能の開花」など三つの公約を掲げ、注目度の高い論文数や外国人研究者比率といった六つの目標と19の戦略を提示。審査では、教授を頂点とするピラミッド型研究体制から転換し、助教ら若手もリーダーとなって野心的な研究に挑戦できる体制を構築する目標が高く評価された。ガバナンス(組織統治)面で改革理念が浸透していることも選定理由に挙げられた。