不在でも「主役」トランプ氏 共和初の候補者討論会―米大統領選
2023年08月25日07時08分
【ミルウォーキー(米ウィスコンシン州)時事】米共和党は23日、来年の大統領選に名乗りを上げた候補者による初のテレビ討論会を中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで開催した。指名争いで本命視されるトランプ前大統領は欠席したが、その路線を継承するか決別するかで候補者の溝が浮き彫りとなり、影の「主役」となった。
会場周辺にトランプ派集結 民主支持者の抗議デモも―米共和討論会
討論会で司会者は、4回にわたり刑事訴追されたトランプ氏が党指名候補となった場合、「有罪でも支持する人は挙手を」と提案。出席した候補者8人のうち7人が、挙手したり手を挙げるようなそぶりを見せたりした。
「反トランプ」急先鋒(せんぽう)で知られるクリスティー前ニュージャージー州知事が「(トランプ氏は)憲法を軽視した」などと批判すると、会場からはブーイングが飛んだ。
異彩を放ったのは若手実業家のラマスワミ氏だ。大統領になればトランプ氏を恩赦する考えをかねて示しており、「21世紀最高の大統領だ」とトランプ氏を明確に擁護し続けた。
一方、党内支持率で2番手につけるデサンティス・フロリダ州知事は、トランプ氏への直接的な言及を避けた。討論会では知事としての実績を強調したが、ラマスワミ氏に注目を奪われた形で、米メディアから「敗者」と評された。
外交も議題となり、1年半にわたってロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援を巡り、参加者の賛否が割れた。ペンス前副大統領やヘイリー元国連大使は支援継続を強く主張。デサンティス氏やラマスワミ氏は、他国への支援より米南部国境に押し寄せる移民問題などを重視すべきだとして、孤立主義的な立場を取った。
出席を見送ったトランプ氏は、討論会に合わせて独自にインタビュー動画を配信。既に自身が世論調査で圧倒的優位に立っていると指摘し、「討論会に出るのは無意味だ」と語った。