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奪われ続ける女性の居場所 「秘密教室」で抵抗、美容院閉鎖も―タリバン復権2年・アフガン

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取材に答えるアフガニスタン人女性ロキアさん(仮名)=9日、カブール

取材に答えるアフガニスタン人女性ロキアさん(仮名)=9日、カブール

 【ニューデリー時事】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンが復権して、15日で2年。極端なイスラム法解釈の下、教育や就労の場から女性を締め出す措置は、枚挙にいとまがない。その一方、学ぶ機会を奪われた女性の居場所をつくる取り組みも、水面下で行われている。

タリバン、美容院の閉鎖命令 女性の就労締め出し進む―アフガン

 ◇危険冒し勉強

 首都カブールの住宅街の一角。時事通信の助手が、ありふれた平屋建ての民家の扉を開けると、10代とみられる女性約15人が静かに授業を受けていた。タリバンの監視の目をかいくぐり、地域の有志が開設した女性向けの秘密の教室だ。

 タリバンは政権奪取後、日本の中学校や高校に相当する中等教育学校から女性を追放。昨年末には大学への通学も禁じた。

 「家族に『行ってきます』と言ってここに来る時、生きて帰れないかもしれないと、いつも思っている」。授業を受けていた19歳のハディージャさん(仮名)は、そう心境を吐露する。中等教育学校への通学が禁じられた後、この場所に約13カ月通っているという。

 国内には同様の秘密教室が複数あるとされ、タリバンが摘発し関係者を拘束するケースも報じられている。「いつかタリバンが来て拘束されるかもしれない。それでも、危険を冒して勉強するしかない。ここより良い場所は他にないから」

 教室で語学や歴史などを教える成人女性たちは皆、正式な教師ではない。「生徒」からわずかな謝礼を受け取り、身の危険を顧みず教えている。「勇気ある先生たちをとても誇りに思う」とハディージャさん。夢は教師になることだ。「教師になって、地方で女の子たちに教えたい。今の状況ではかなわないかもしれないけど、最善を尽くすしかない」と前を向いた。

 ◇失った収入源

 就労の場からの女性締め出しも続いている。タリバンは全土の美容院に対し、7月下旬までに閉鎖するよう命令。アフガンで美容院は、男性の入店が許されておらず、女性に残された数少ない職場であると同時に、男性の付き添いなしに女性が集まることができる社交場でもあった。

 35歳のロキアさん(仮名)は命令を受け、カブールで約7年間経営していた美容院の閉鎖を余儀なくされた。「私だけでなく何千人もの女性にとって、家族を支える唯一の収入源だった」と嘆く。今は貯金を切り崩し、4人の子供を含む家族を養っている。

 現地からの報道によると、美容院閉鎖で職を失った女性は、全土で6万人以上と推定されている。この2年間について、ロキアさんは「タリバンは女性を社会から引き離す以外の方策を持ち合わせていない。着実に私たちの自由や権利を奪っている」と怒りをにじませた。

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