ロシア、西側に責任転嫁 各国代表は相次ぎ非難―NPT準備委
2023年08月02日13時33分
【ウィーン時事】ウィーンで開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会は1日、2日目の討議を行い、ロシアの代表は北大西洋条約機構(NATO)諸国の行動が「(NPTの)運用プロセスに悪影響を与えている」と主張した。ウクライナ侵攻を続け核兵器で威嚇しながら、軍縮や不拡散の議論が進まないのは西側諸国に責任があるとの持論を展開した。
ロシアは、ウクライナ情勢や中国の軍備拡大を受け自国の核抑止力を再評価している英国とフランスを「米国の核と同じほどの脅威だ」とけん制。核を含む米国の戦力で韓国防衛を図る米韓の「拡大抑止」の強化についても「朝鮮半島の非核化を目指す国連安保理決議の枠組みを損なう」と批判した。
韓国の代表は「北朝鮮の核開発こそが問題の核心だ」と反論。拡大抑止の強化は「核の脅威の高まりに対する正当な対応だ」と述べ、ロシアの主張は論点のすり替えだと一蹴した。
他国からも対ロシア非難が相次いだ。ポーランドは「ロシアは世界の平和と安全にとって最大の脅威だ」と述べ、ウクライナ南部のザポロジエ原発の軍事占拠は「NPTの取り組みと明らかに矛盾する」と言及。チェコは、ウクライナ侵攻が続く限り「(NPT協議の)現在の行き詰まりが解消される望みはほとんどない」と指摘した。