あいおいニッセイ、事前協議の疑い 京成電鉄向け保険契約で
2023年07月29日15時49分
損害保険大手が企業向けの共同保険契約の保険料を事前に調整していた問題で、あいおいニッセイ同和損害保険が京成電鉄向けの保険契約の入札について、別の損保会社と事前協議していた疑いがあることが29日、分かった。東急グループ向けで、東京海上日動火災保険など損保大手4社による価格調整などが判明しており、不正行為は業界内で横行している可能性がある。
京成電鉄が昨年10月に実施した賠償責任保険契約の入札で提示する保険料について、あいおいの担当者は他社の保険料水準から乖離(かいり)した高い金額とならないよう、幹事社の損害保険ジャパンに問い合わせたという。入札には、東京海上日動と三井住友海上火災保険も参加したとみられる。あいおいの新納啓介社長は日本損害保険協会の会長も務める。
補償額が大きい大手企業向けの保険契約ではリスクを分散するため、入札に参加した複数の損保会社で引き受ける共同保険契約が一般的。ただ、入札前の事前協議は独占禁止法違反になる可能性がある。あいおいの広報担当者は「現在、事実関係を確認中」としている。