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新しいパリ大会 ロシア勢参加「判断難しい」―五輪研究のエリック・モナン氏・パリ五輪1年(2)

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パリ市内でインタビューに答えるエリック・モナン氏=6月27日

パリ市内でインタビューに答えるエリック・モナン氏=6月27日

  • 仏フランシュ・コンテ大オリンピック研究センター所長のエリック・モナン氏=6月27日、パリ

 仏フランシュ・コンテ大オリンピック研究センターの所長を務め、五輪運動に詳しいエリック・モナン氏(55)がこのほど、パリ市内で時事通信の単独インタビューに応じた。1年後に迫ったパリ五輪について、「異文化が集まる興味深い機会」と語り、新しいスタイルの祭典になると期待を込めた。

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 ―市民や国民の五輪への意識は。

 コロナ禍が明け、関心に弾みがつき、推進力が出てきた。聖火リレーのルートも発表され、はっきりと意識されている。

 ―100年ぶり、3度目のパリ五輪。

 1900年も、前回もパリ市外、近郊での開催だった。パリ市内で開かれる今回は全く新しいものとなる。

 ―今回のパリ大会の意義は。

 異文化が集まるとても興味深い機会だ。国際オリンピック委員会(IOC)が示した「五輪アジェンダ2020」における最初の五輪でもある。「大衆化」「若者」「都市型」という新しい概念の下、五輪を世界に開くことになる。

 ―本番までに解決すべき課題は。

 今は全てがきちんと進んでいる。安全面は注視しなければならないが、これは世界中どこでも同じだ。

 ―6月に五輪組織委員会に警察の捜査が入った影響は。

 いいイメージではないが、不確かなことがチェックされたと言える。東京五輪で得られた誤りと学びも伝えていく。

 ―現代の五輪で大切なものは何か。

 物質主義の時代は終わった。今はどのような非物質主義のレガシーを若者へ残せるか。変化、より良い食事、交流、協働などのプログラムを残していくことが重要だ。

 ―五輪は平和の象徴だったが、ロシア勢の五輪参加を巡って賛否両論ある。

 選手は差別なく扱わなければならない。もしプーチン(大統領)のプロパガンダを持ち込まないのなら、ロシアやベラルーシの選手が五輪に来ることは大切だ。しかし、受け入れ判断はとても難しい。

 ―五輪に関わるようになった経緯は。

 フランスの柔道代表だった。五輪には参加していないが、多くの五輪選手やメダリストと話した。特に五輪が私たちの社会に与える影響について興味がある。

 ―研究から学んだことは。

 現代の五輪は、異なる目標や興味を持った人々が五輪という場で出会い、お互いを理解することに意味がある。「肉体と意志と知性の資質を高揚させ、均衡の取れた全人の中にこれを結合させることを目指す」とした(近代五輪の父)クーベルタン男爵の時代とは違う。五輪は世界の人々を結び付けるハブだ。

 

◇エリック・モナン氏の略歴

 エリック・モナン氏 社会学者。国際大会出場経験を持つ元柔道選手。現在はフランシュ・コンテ大オリンピズム担当副学長および同大オリンピック研究センター(CEROU)所長。CEROUは五輪などに関する研究や調査、教育を目的に国際オリンピック委員会(IOC)の支援を受けて2019年に設置された。フランス・ブザンソン出身。55歳。 (パリ時事)

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