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拘束兵士、対米カードに利用か 国営メディアは反応なし―北朝鮮

2023年07月20日07時11分

板門店の共同警備区域(JSA)の見学ツアーに参加する韓国の観光客ら=2022年7月(EPA時事)

板門店の共同警備区域(JSA)の見学ツアーに参加する韓国の観光客ら=2022年7月(EPA時事)

 【ソウル時事】韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線を無許可で越え、北朝鮮側に渡った米兵が拘束されている問題で、北朝鮮メディアは19日現在、反応を示していない。北朝鮮は米兵の身柄を対米外交カードとして利用するとみられる。対話が中断している米朝関係を左右する新たな要素となりそうだ。

米国人が境界線越え北朝鮮側に 韓国駐留の現役軍人か

 米メディアによると、この米兵はトラビス・キング2等兵。懲戒処分を受けることになっており、米国に護送される予定だった。韓国メディアは、この米兵が昨年、ソウルでパトカーを蹴りつけ、罰金刑を受けるなどのトラブルを起こしていたと報じた。
 米兵は空港の保安検査を通過した後に、板門店の共同警備区域(JSA)の見学ツアーに参加。米兵は観光客らと見学中、許可なく北朝鮮側に入った。保安検査後にどのように空港を抜け出したのかや見学ツアーに参加した経緯などは明らかになっていない。
 北朝鮮は19日未明に短距離弾道ミサイルを2発発射したが、国営メディアは米兵に関して反応を見せていない。北朝鮮の元駐英公使で、亡命後に韓国で国会議員になった太永浩議員は、北朝鮮としては「米国の体面をつぶす好材料に出くわした」と分析。身柄を交渉カードとして利用するため、身元や北朝鮮に渡った経緯などを調べているとみられる。
 オースティン米国防長官は18日の記者会見で「数日以内に何らかの進展があるだろう」と述べており、身柄を巡り水面下での交渉が行われている可能性がある。過去にも複数回、北朝鮮は拘束した米国人を交渉材料にしており、2018年には当時のポンペオ国務長官が訪朝し、米国人3人の帰国が実現している。外交カードとして有効なタイミングを慎重に見計らっているもようだ。

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