香港「大量の水産物」禁輸へ 日本の産地に打撃―処理水放出
2023年07月11日16時17分
【香港時事】香港政府トップの李家超行政長官は11日、東京電力福島第1原発の処理水が海洋放出された場合、日本からの「大量の水産物」の輸入を禁止すると明言した。香港は日本食品の輸出先第2位で、日本の水産業への打撃が懸念される。
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李氏は記者会見で、計画されている処理水放出は前例のない規模で、リスクは「未知数だ」と問題視。放出が始まれば「現在の規模を超えて多くの水産物の輸入を禁止する」と述べた。
李氏は7日に「リスクの高い地域からの水産物と農産物の禁輸を検討している」と発言。処理水放出計画は「信頼性と合法性を証明していない」と日本を批判していた。
香港は現在、福島など5県産の食品を輸入規制の対象としており、水産物に対しては放射性物質の検査証明書の添付を義務付けている。福島県産の野菜や果物の輸入は停止している。
2022年の日本から香港への農林水産物・食品の輸出額は2086億円と、国・地域別で中国本土に次ぐ2位で、全体の15.6%を占めた。香港では日本食品が広く普及しており、水産物が一部でも禁輸となれば、飲食店や小売店が大きな影響を受けるのは必至だ。