流血回避、プリゴジン氏亡命へ 反乱のワグネルは撤退―ロシア・ベラルーシ大統領が仲裁
2023年06月25日20時20分
ウクライナ侵攻に絡み、ロシア本国で武装反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏は24日夜(日本時間25日未明)、さらなる流血の事態回避に向けて緊張緩和策を講じることでプーチン大統領と合意した。ベラルーシのルカシェンコ大統領が仲裁に入り、プリゴジン、プーチン両氏と電話会談した。
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これを受け、ワグネル戦闘員は占拠するロシア軍南部軍管区司令部(南部ロストフナドヌー)などから撤退を開始。プーチン政権はプリゴジン氏がベラルーシに亡命することを容認した。
侵攻でロシアの先兵となったワグネルと正規軍の交戦に発展した反乱は、勃発から丸1日で収束の道筋が付いた。ロシア軍の20人前後が死亡したという情報もある。ワグネルの横暴を許したことで、ロシア軍の弱体化が浮き彫りとなり、ウクライナの戦況に微妙な影響を及ぼしそうだ。
ルカシェンコ氏は、盟友関係にあるプーチン氏の同意を得て仲裁した。ロシア大統領府によれば、プリゴジン氏が武装反乱を呼び掛けたとして連邦保安局(FSB)が開始した捜査は終結。反乱に加わったワグネル戦闘員の刑事責任は問わないことも決まった。加わっていない戦闘員には国防省の傘下に入るよう求める。
プリゴジン氏はSNSに音声メッセージを投稿。「(ワグネルの車列は)24時間でモスクワまで200キロに届くかという地点まで進んだ」と主張した上で、ロシア人同士で血を流すのを避けるため、車列をUターンさせて元の陣地に帰還することを約束した。