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処理水放出、日本も説得努力を シャトル外交「次は温泉で」―尹徳敏韓国大使インタビュー

2023年06月14日07時06分

インタビューに答える韓国の尹徳敏駐日大使=13日午前、東京都港区

インタビューに答える韓国の尹徳敏駐日大使=13日午前、東京都港区

 韓国の尹徳敏駐日大使は13日、東京都内で時事通信のインタビューに応じ、韓国内で懸念が強い東京電力福島第1原発の処理水海洋放出に関し、「日本が韓国国民に直接安全性を説得する姿が必要だ」と日本側の努力を求めた。

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 尹大使は「韓国国民の健康と安全に関わる敏感な問題だ」と強調。「(科学的な根拠を示して)国民を説得しようとしても理解しにくい部分がある」と指摘した。5月に訪韓した岸田文雄首相が「韓国国民の健康や海洋環境に悪影響を与える形での放出は認めない」と明言したことを挙げ、「直接そういう話をしてくれることが国民を安心させる上で大事だ」と語った。
 一方、3月の尹錫悦大統領の訪日、5月の岸田氏訪韓に続く今後の首脳シャトル外交について、具体的な時期の言及は避けつつも「(韓国南部)済州島や日本の温泉地など地方で気楽な気持ちで会談できればいい」と述べ、両首脳の親密さをさらに深める機会にしたいとの考えを示した。「ドイツ、フランスは大きな戦争を何度も経ながら、成熟した関係になった。韓日も独仏のような関係になるべきだ」と訴えた。
 日韓の安全保障協力の障害になってきた韓国軍艦艇による海上自衛隊機への火器管制レーダー照射問題は、先の日韓防衛相会談で、実務者間で再発防止策を協議することで合意した。尹大使は「両者の立場は違うが、安保協力を深め信頼が高まれば、自然に解決できる」と楽観的な見通しを表明。「韓日は互いに米国の『核の傘』を含む拡大抑止をどうするか、共通の課題がある」と協力の必要性を強調した。
 
 ◇尹徳敏駐日韓国大使
 尹 徳敏氏(ユン・ドクミン)1959年、ソウル出身。日本の慶応大で博士号(政治学)を取得した後、韓国外務省傘下の外交安保研究院(現国立外交院)教授などを歴任。2013~17年に国立外交院長。22年3月の大統領選では尹錫悦大統領の外交ブレーンとして公約づくりなどに関わり、同7月に駐日大使に就任した。

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