流れ変えたベテラン石川 交流戦単独最多の28勝目―プロ野球・ヤクルト
2023年06月10日19時34分
負けると4連敗。ヤクルトに再び漂いかけた嫌なムードを、43歳の石川が変えた。六回途中まで3安打無失点の好投で2勝目を挙げるとともに、ソフトバンクの42歳、和田に並ばれていた交流戦通算勝利を単独最多の28に更新。「すごい球を投げている和田投手の投球は励みになる」と頬を緩めた。
130キロ前後の直球と多彩な変化球を投げ分け、相手に的を絞らせない。二回無死二塁のピンチを無失点で切り抜けると、五回1死二塁とされても平沼を内角高めの直球で一ゴロ、古賀を内角低めの変化球で空振り三振。要所で粘り強かった。
リーグ3連覇を狙う王者が低迷する原因の一つは先発陣の不振。テンポが悪く早いイニングで降板したり、大量失点を許したりと、試合をつくれず敗れる展開が多い。5月には12連敗を喫し、借金が大きく膨らんだ。
そんな悪い流れを球界最年長の左腕がはね返した。相手のエース高橋との投げ合いを制し、「何とか先制点を与えないように意識して投げることができた」とほっと一息。台所事情に悩む高津監督も「連敗中に一番のベテランがああいう投球をすると、周りが刺激を受ける。本当に価値のある一勝」と称賛した。