キッコーマン、海外事業拡大へ インドや南米など、需要増期待
2023年06月10日20時31分
【レークジェニーバ(米ウィスコンシン州)時事】キッコーマンは9日、米ウィスコンシン州のしょうゆ製造工場が完成して今月で50年を迎えるのに際し、同州で記念行事を開催した。登壇した茂木友三郎名誉会長は「(同州の工場は)世界進出のモデルだ」と強調した上で、インドや南米など海外での事業拡大を進める方針を示した。
茂木キッコーマン名誉会長:海外「豆乳に可能性」 事業多角化へ
記念行事に先立つ7日、記者団の取材に応じた茂木氏は、人口が増えているインドや、南米、アフリカでしょうゆの消費が拡大すると指摘。現地の食文化に定着するよう、長期的な視点で販売を促進していく考えを明らかにした。海外事業の多角化も進める。しょうゆに依存する状況を改め、日本国内で高いシェアを持つ豆乳類などを視野に入れている。
キッコーマンは1957年、米国に本格的に進出した。肉類としょうゆの相性の良さを売り込むため、店頭での実演販売や、「Teriyaki(テリヤキ)」用ソースの開発を展開。輸送コスト削減など収益改善のため、現地生産を決断し、73年に同州の工場が完成した。98年には米カリフォルニア州の工場でも出荷を開始。同社製品は米国の家庭用しょうゆ市場で6割のシェアを占めている。