若き好敵手退けたジョコビッチ 単独最多23勝に王手―全仏テニス
2023年06月10日08時22分
ジョコビッチにとっては、すっきりしない勝利となった。対戦を熱望していたアルカラスとの準決勝。1セットずつを取り合い、迎えた第3セットの第2ゲームで、アルカラスはリターンを打った後に顔をしかめ、右脚を押さえた。
アルカラスは応急処置を受けてプレーを続行したものの、腕や脚がけいれんし、まともに動けなかった。ジョコビッチは簡単にその後の2セットを連取。「棄権するか最後まで続けるか、難しい判断だったと思う。闘志をたたえたい」と若きライバルをねぎらった。
昨年引退したフェデラー(スイス)、ナダル(スペイン)と共に「ビッグ3」と称されたジョコビッチと、次世代をけん引するアルカラス。男子テニス界の今後を占う一戦は、第2セットを終えるまでに約2時間20分を要する激闘となった。20歳の体が悲鳴を上げても、百戦錬磨の36歳は健在だった。
男子シングルスで四大大会単独最多となる23度目の制覇まで、あと1勝。「歴史を刻む立場にいることがうれしい。モチベーションはとても高い。トロフィーを手にしたい」。2年ぶり3度目のタイトルを渇望した。(パリ時事)