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スペイン産イチゴに不買運動 「過剰取水」巡り政治問題化―独

2023年06月10日14時09分

イチゴを収穫する農家=2022年5月、スペイン南部アンダルシア自治州ウエルバ県(AFP時事)

イチゴを収穫する農家=2022年5月、スペイン南部アンダルシア自治州ウエルバ県(AFP時事)

 【ベルリン時事】ドイツでスペイン産イチゴの不買運動が広がり、スペインの首相も運動を支持する異例の騒動に発展している。スペインでは干ばつが深刻化しているが、独市民団体はイチゴ農家の過剰な取水で自然保護区の湿地が枯渇していると主張し不買運動を展開。7月に総選挙を控えるスペインでは、イチゴ問題への対応が政治的な争点にもなり、議論が過熱している。

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 スペイン南部アンダルシア自治州は温暖な気候を生かした世界有数のイチゴ産地で、欧州向けの輸出が盛んだ。一方、世界自然保護基金(WWF)によると、イチゴ農園による取水で、同じ地域にある世界遺産ドニャーナ国立公園の湿地帯が危機にひんしているという。
 州政府は「農家の生活が危険にさらされている」としてかんがい施設を拡大する方針を示す一方、独市民団体は「水の強奪で生態系が破壊される」と訴え、16万人以上のオンライン署名を集めた。州与党と対立するスペインのサンチェス首相は5月末、ツイッターに「ドニャーナを救おう」と投稿して不買運動をあおった。
 消費者問題を扱うドイツ議員団は6月上旬に現地視察を予定していたが、「政治性が増している」として中止を余儀なくされた。独メディアは「スペイン産イチゴは安さで人気だが、環境への代償は大きい」と指摘。食品の値上げが止まらない中、環境意識の高いドイツの消費者もジレンマに直面している。

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