同時テロ跡地に邦人が壁画 憎悪越え「共存」を―NY
2023年06月10日14時10分
【ニューヨーク時事】2001年の同時テロで倒壊した米ニューヨークのワールドトレードセンター(WTC)ビル跡地で、日本人男性アーティスト、DRAGON76さん(46)が手掛けた壁画が8日、完成した。作品には自身が重視する「共存」をテーマに、人種や宗教対立などで見られる憎悪を乗り越えてほしいとの思いが込められている。
邦人芸術家がNYに事故防止の壁画 「共存」テーマに国連目標後押し
DRAGON76さんは、WTCビル跡地の再開発を進める企業から作風を評価され、今回の壁画制作の仕事を引き受け、現場で2週間で描き上げた。米国の先住民の女性を主人公として中米で栄えたマヤ文明、アフリカのマサイ族などの伝統や漢字を盛り込み、多様性を表現するため自身のこれまでの作品よりも多くの色を用いた。
滋賀県で生まれ、16年に憧れのニューヨークへあてもなく家族と移住したDRAGON76さん。国連から発注された作品を担当しただけでなく、映画「トランスフォーマー」最新作の宣伝用の壁画の仕事も舞い込み、このほど公開前に仕上げた。「世界中に大きな壁画を残したい」と夢を語っている。