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地方クラブが異例の集客 佐賀、2部で史上最多―バスケットBリーグ

2023年06月10日05時20分

Bリーグ2部最多の7532人が観戦したプレーオフ決勝の佐賀―長崎戦(佐賀バルーナーズ提供)

Bリーグ2部最多の7532人が観戦したプレーオフ決勝の佐賀―長崎戦(佐賀バルーナーズ提供)

  • 田畠寿太郎 サガスポーツクラブ社長(佐賀バルーナーズ提供)

 バスケットボールのBリーグで来季1部に昇格する佐賀バルーナーズが注目されている。2022~23年シーズンは2部西地区で初優勝し、5月のプレーオフは佐賀市にオープンしたばかりのSAGAアリーナ(8400人収容)で開催。入場者は連日4000人を超え、長崎を下して初制覇を遂げた決勝第2戦は2部の主管試合で最多の7532人を記録した。
 18年に創設され、22~23年は2部で3季目。レギュラーシーズンの入場者数は14チーム中7位の1試合平均1339人だっただけに、新アリーナの追い風も受けたプレーオフでの集客は地方クラブにとって異例だった。
 運営するサガスポーツクラブの田畠寿太郎社長(50)は「佐賀県や商工会議所も含め、いろんな方に協力いただいた。『オール佐賀』でやった」という。「3000人程度」だった当初の想定を大幅に超え、地元を巻き込んだ一大イベントとして盛り上げた。
 佐賀市出身の田畠社長は21年6月に就任。大学で県外に出て就職した後に26歳で戻り、市内の商店街で家業を継ぎ、まちづくりや商店街のイベント開催など地元商工会の活動に取り組んできた。「廃れてしまった商店街に活気を取り戻そうと、行政と一緒に20年ぐらい活動してきた。継続的な成果も出ない中、クラブ経営の話をいただいた」
 スポーツビジネスは経験のない世界だったが、地域に根差す運営という部分は共通していた。「地域の経済や課題にコミットするためには地道な活動も大事だが、核になるものが必要。バルーナーズは素晴らしいコンテンツになり得る。磨いて盛り上げないといけない」。熱い思いは多くの地元住民の共感を生み、大きな結果となって表れた。
 来季は1部で王者琉球など強豪ぞろいの西地区に入る。田畠社長は強いだけのチームをつくるつもりはない。「強いから応援して、だけでは駄目。県民の皆さんの誇りになるように。地域経済に貢献し、子どもたちの競技力向上、育成でも貢献したい」と、さらなる成長を誓った。

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