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ビール系大手、乳酸菌飲料で攻勢 健康志向狙い競争激化

2023年06月10日07時13分

免疫機能への働きなどをうたう乳酸菌飲料。左から順にキリンビバレッジの「おいしい免疫ケア」、アサヒ飲料の「守る働く乳酸菌W」、明治「プロビオヨーグルト R―1」、ヤクルト本社の「ヤクルト1000」(各社提供)

免疫機能への働きなどをうたう乳酸菌飲料。左から順にキリンビバレッジの「おいしい免疫ケア」、アサヒ飲料の「守る働く乳酸菌W」、明治「プロビオヨーグルト R―1」、ヤクルト本社の「ヤクルト1000」(各社提供)

  • キリンビバレッジ湘南工場で本格稼働した小型ペットボトル飲料の製造ライン=5月30日、神奈川県寒川町

 健康への効果を訴求する乳酸菌飲料の市場でシェア争いが激化している。飲料大手のキリンビバレッジ(東京)とアサヒ飲料(同)のビール系2社が免疫機能維持をうたう商品で相次ぎ参入。背景に少子化による酒類の需要減少があり、明治(同)など先行組も交え、コロナ禍で一段と増えた健康志向の消費者の奪い合いとなりそうだ。

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 キリンビバレッジは5月、約100億円を投資して生産能力を増強した湘南工場(神奈川県寒川町)の小型ペットボトルの製造ラインを本格稼働させた。免疫機能の維持を助けるという「プラズマ乳酸菌」を使った機能性表示の飲料「おいしい免疫ケア」の生産拡大を急ぐ。
 同社の吉村透留社長は、プラズマ乳酸菌を活用する飲料などの販売数量が全体に占める割合を「2027年までに20%以上まで拡大したい」と強調。27日にはカロリーオフの新商品も発売し、品ぞろえを充実させる。
 アサヒ飲料は、独自素材「L―92乳酸菌」を配合した乳酸菌飲料「守る働く乳酸菌W」を6日に発売した。機能性表示食品の届け出が受理され、既存の「守る働く乳酸菌」をリニューアルした。免疫機能の維持と鼻の不快感軽減という二つの機能を前面に押し出す。
 乳酸菌を活用した飲料市場では、明治の「プロビオヨーグルト R―1」シリーズの存在が大きい。機能性表示食品ではなく明確な機能はうたっていないが、風邪などが流行する季節に売り上げが伸びるという。また、睡眠の質を高めるとの効果をアピールして爆発的に売れたヤクルト本社の「ヤクルト1000」など、乳酸菌飲料の効能の幅は広い。
 富士経済(東京)によると、23年の乳酸菌飲料類市場は前年比5.7%増の1399億円となる見通し。コロナの渦中にあった22年(21.9%増)ほどの伸びではないが、「コロナ禍を通じて自分の健康は自分で守るという考えが根付いた」(米女太一アサヒ飲料社長)として、各社が攻勢を緩めることはなさそうだ。

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