不動産「成長の原動力に」 資産運用会社設立へ―西山西武HD社長
2023年06月09日07時08分
西武ホールディングス(HD)の西山隆一郎社長は8日、時事通信のインタビューに応じ、不動産事業が「成長の大きな原動力になる」と強調した。その上で、アセットマネジメント(資産運用)を行う新会社を設立する考えを表明した。手数料収入を新たな収益の柱に育て、経営基盤を安定させるのが狙いだ。
西武HDは不動産事業の収益性を高めるため、グループの保有資産を私募ファンドや不動産投資信託(REIT)に組み入れ、獲得資金を新規開発に再投資する不動産回転型ビジネスへの参入を表明している。4月に就任した西山氏は、新会社で「ファンドからアセットマネジメント業務を受託することを想定している」と説明。2020年代半ばに総合不動産業の体制構築を目指す。
主力の鉄道やホテル事業は、コロナ禍による外出自粛で打撃を受けた。西山氏は「安定的な手数料収入を持っておくことがいかに大切か痛感した」と指摘した。
西武HDはコロナ禍を乗り切る経営改革として、鉄道やホテル・レジャー、不動産各事業間の再編を実施。財務体質改善のため、不動産の一部では「保有」と「運営」を分離する改革を進め、ホテルなど26施設は売却して運営に専念した。経営企画本部長として改革を進めた西山氏は「成長の土台を整えた。(次期中期経営計画が始まる)24年度が再スタートだ」と語った。