中国で過去最大の大学受験 就職難背景に1291万人
2023年06月08日16時17分
【北京時事】中国で7日から全国統一大学入学試験「高考」が行われている。清朝時代までの官吏登用試験「科挙」にも例えられる高考の出願者は過去最多の1291万人。前年から98万人増えた。日程は地域により異なり2~4日間。各地で臨時の交通規制が敷かれ、社会全体が受験生の応援ムード一色となった。
柔軟な働き方が推奨される中国で深刻な若者の失業と就職難【洞察☆中国】
中国では高学歴化が進み、今年卒業する大学生、専門学校生は1160万人。一方で、3年間続いた新型コロナウイルス対策「ゼロコロナ」政策の影響などで都市部の16~24歳の失業率は2割に達し、高等教育を受けても就職難に直面する状況だ。
名門校に進み好条件の職を得たい若者の間で、受験競争は過熱の一途をたどっている。高考の点数によって進学できる大学が決まるため、若者にとっては人生を左右する試験だ。
中国メディアによると、今年は作文のテーマとして習近平国家主席の演説の一節が登場。「他人の明かりを吹き消しても自らは明るくなれない」など、中国包囲網を強める米欧を批判したとされる発言への考えを記述する問題だった。共産党政権は近年、教育現場を通じた習氏の思想浸透を図っている。