豪政府、ナチスのシンボル禁止へ 最高禁錮1年、テロ対策法改正
2023年06月08日14時43分
【シドニー時事】オーストラリア政府は8日、ナチスのシンボルの展示・販売を禁止することを定めるテロ対策法改正案を、議会に来週提出すると発表した。最高で禁錮1年の刑罰を科す方針で、年内の成立を目指す。豪国内でナチスを支持する過激派の活動が増えていることを踏まえ、規制に乗り出した。
改正案では、ハーケンクロイツと呼ばれるかぎ十字のマークなど、ナチスやヒトラー政権を象徴するものを記した旗、衣服などの展示・販売を犯罪と位置付ける。オンライン上での行為も処罰対象となる。歴史研究や教育、報道などの目的での使用は例外的に認められるが、ナチス関連の資料を有償で譲り渡すことは禁止される。ナチスとは無関係の宗教団体が使用するまんじも対象外。
豪州では今年に入り、ナチスのマークを掲げた過激派が一部州議会に押しかけるなどのトラブルが発生。ユダヤ系市民らから規制を求める声が上がっていた。ドレイファス法相は声明で「ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を賛美する場所が豪州にあってはならない」と強調した。