シフィオンテク、女王の意地　全仏テニス

　前回決勝で退けたガウフとの準々決勝。ここまで淡々と勝ち進んできたシフィオンテクが、感情をむき出しにした。第１セットの５―４で迎えた第１０ゲーム。フォアハンドのクロスをたたき込み、右拳を突き上げて叫んだ。
　身上のフットワークがさえた。相手の強打とドロップで前後左右に振られても、悠々と追い付く。強風が吹くセンターコートで女王の意地を示して完勝。「興奮した。アグレッシブに攻めることができた」と、満足そうに振り返った。
　敗れれば、昨年４月から維持する世界ランキング１位から転落する一戦。「いつもプレッシャーと期待でいっぱい」という２２歳は今大会、１セットも落としていない。「勝ったことを楽しむ。それが、前向きな姿勢やエネルギーを保つのに役立つ」。気力も充実している。（パリ時事）