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宇宙最初の巨大星、痕跡発見 すばる望遠鏡などで―日中チーム

2023年06月07日19時51分

巨大質量の初代星による超新星爆発の想像図(中国国家天文台提供)

巨大質量の初代星による超新星爆発の想像図(中国国家天文台提供)

 国立天文台と中国国家天文台などの研究チームは、約138億年前の宇宙誕生から数億年後に生まれた最初の世代の星々(初代星)の中に、太陽の140倍以上の質量を持つ巨大な星(巨大質量星)の痕跡を発見したと発表した。巨大質量星の存在は理論的に予測されていたが、すばる望遠鏡(米ハワイ島)などを使った観測で初めて裏付けられた。初代星の形成過程を知る手がかりになるという。論文は7日、英科学誌ネイチャーに掲載された。

惑星が恒星にのまれたか 1万2000光年先―米研究チーム

 初期の宇宙にはほぼ水素とヘリウムしかなく、それ以外の元素は初代星内部の核融合や超新星爆発によって作られ、ばらまかれた後、第2世代以降の星の材料になる。
 国立天文台の青木和光教授らは、中国の分光探査望遠鏡を使い、初代星が作った元素を取り込んだとみられる古い星を多数発見。すばる望遠鏡の観測で水素やヘリウム以外の元素の割合を詳しく調べた上で、巨大質量星が引き起こす特徴的な超新星爆発で作られる元素の割合と比較した。
 その結果、しし座の方向約3000光年先にある太陽よりやや軽い星の元素組成とよく一致。初期宇宙に巨大質量星が存在したことを示す証拠と結論付けた。

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