ジョコビッチ、圧巻のタイブレーク　勝負どころで本領発揮―全仏テニス

　劣勢を一気に覆した。ジョコビッチは今大会で初めてセットを落とした後、第２セットはタイブレークにもつれ込んだ。「恐らく今大会で最悪の２セット」と言うほど、ミスが目立った序盤。勝敗の鍵を握るその局面で、本領を発揮した。
　巧みなドロップショットで最初のポイントを奪い、バック、フォアハンドの鋭いダウンザラインを続けて決めた。「どのポイントも完璧だった」。自賛する圧巻の内容で７―０と圧倒し、このセットを奪い返した。
　一度ギアが入れば止められない。第３セット以降は「２段階ぐらい上のレベルでプレーできた」と危なげなく連取した。前回大会でナダル（スペイン）に屈した準々決勝を突破。四大大会通算４５度目の４強入りとなり、フェデラー（スイス）の男子最多記録に１と迫った。
　準決勝は世界ランキング１位のアルカラスに挑む。これまで唯一の対戦機会だった昨年のマドリード・オープンでは競り負けた。「今大会で最大のチャレンジ。一番になりたいなら、一番に勝たなければならない。ここで倒すべき相手だ」。ナダルの後継者と目される優勝候補との対戦をにらみ、気持ちを高ぶらせた。（パリ時事）