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香港警察、追悼の市民を次々拘束 「聖地」で厳戒態勢―天安門事件34年

2023年06月05日19時35分

4日、香港のビクトリア公園付近で警察に連行される女性(EPA時事)

4日、香港のビクトリア公園付近で警察に連行される女性(EPA時事)

  • 4日、香港のビクトリア公園で開催された親中派団体のイベント会場

 【香港時事】香港警察は5日までに、中国で民主化運動が武力弾圧された天安門事件の犠牲者を悼む動きを見せた計32人を逮捕・拘束した。追悼集会が長年開催されてきた香港島のビクトリア公園周辺では厳戒態勢を敷き、花束やろうそくを持っているだけの市民らを次々連行。追悼の「聖地」一帯は物々しい雰囲気に包まれた。

〔写真特集〕天安門事件

 公園では3~5日、親中派団体が中国への返還を祝うイベントを開催。約200店舗が中国各地の特産品などを販売し、ステージ上では中国の歌などが披露された。かつての追悼会場は親中派に占拠された形。2020年の香港国家安全維持法(国安法)施行に伴う統制強化もあり、集会は今年も封じられた。
 警察当局は香港全域に約5000人の警官を配置。ビクトリア公園周辺では防刃チョッキを着た多くの警官らが警戒に当たった。3日には扇動的な言葉を書いたデモ関連の物品を陳列したなどとして4人を逮捕したほか、ハンガーストライキを計画するなどした4人を拘束した。
 4日は1人を逮捕し、23人を拘束。この中には、発光ダイオード(LED)キャンドルなどを持った民主派団体幹部の姿もあった。
 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)はツイッターに「表現と平和的集会の自由の行使を理由に拘束された人の釈放を求める」と投稿した。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルも声明を出し、逮捕について「抑圧の深刻さが浮き彫りになった」と批判。「香港政府の恥ずべき活動は天安門事件で殺害された人々に対する侮辱だ」と訴え、全員の即時釈放を求めた。
 一方、中国外務省の汪文斌副報道局長は、5日の記者会見で「香港政府の法律にのっとった職務執行を断固支持する」と強調。「(天安門事件などを)口実に中国を中傷したり、内政に干渉したりする試みは成功しない」と述べた。

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