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OPECプラス、サウジ主導で減産延長 足並みに乱れも

2023年06月05日20時30分

石油輸出国機構(OPEC)の本部=3日、ウィーン(AFP時事)

石油輸出国機構(OPEC)の本部=3日、ウィーン(AFP時事)

  • 【図解】WTI原油先物価格の推移

 【ロンドン時事】石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は4日、現在の協調減産の枠組みを2024年末まで延長することで合意した。米メディアによると、生産量の割り当てを巡って協議は難航し、足並みの乱れも表面化。OPECの盟主サウジアラビアが自ら7月に日量100万バレルの追加減産を行うことで合意につなげた。

協調減産、24年末まで延長 原油価格下支えへ―OPECプラス

 「サウジのロリポップ(棒付きキャンディー)だ」。同国のアブドルアジズ・エネルギー相は会合後の記者会見で、自主減産を子どもをあやすための菓子に例え、原油価格を安定させる効果に自信を示した。8月以降も必要に応じて減産を続ける可能性があるとの考えを示し、原油の値下がりを見込み空売りで利益を得ようとする投機筋をけん制した。
 アブドルアジズ氏は5月下旬のカタールでのイベントでも、投機筋に対して「気を付けろ」と警告、追加減産を示唆したと受け止められた。OPECプラスとして昨秋から日量200万バレルの協調減産を実施し、5月にはサウジなど8カ国で計116万バレルの自主減産に踏み切ったにもかかわらず、原油価格が下落基調にあることにいら立ちを募らせていたようだ。
 今回の会合では24年の生産目標を現行比140万バレル減の4046万バレルとすることも決めた。しかし、アラブ首長国連邦(UAE)には例外的に増産を認めるなど、参加国間の思惑の違いも浮き彫りとなった。
 原油価格が上向けば、ウクライナ侵攻に伴う西側諸国の経済制裁に苦しむロシアを含め、産油国にとっては恩恵となる。しかし、世界景気の減速懸念は強く、OPECプラスが一段の措置を強いられる可能性もある中、結束を維持できるかが課題となりそうだ。

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