• ツイート
  • facebook
  • hatena-bookmark
  • コメント

大崎事件、再審認めず 「事故死」主張棄却―福岡高裁支部

2023年06月05日15時44分

大崎事件の再審開始が認められず、不当決定と訴える弁護団の森雅美団長(中央)と鴨志田祐美事務局長(左)ら=5日午前、宮崎市

大崎事件の再審開始が認められず、不当決定と訴える弁護団の森雅美団長(中央)と鴨志田祐美事務局長(左)ら=5日午前、宮崎市

  • 大崎事件で懲役10年が確定、服役した原口アヤ子さん=5月24日(支援者提供)
  • 大崎事件の第4次再審請求即時抗告審の決定前、福岡高裁宮崎支部に集まる支援者ら=5日午前、宮崎市

 鹿児島県大崎町で1979年、男性の遺体が見つかった「大崎事件」の第4次再審請求即時抗告審で、殺人罪などで懲役10年が確定し服役した原口アヤ子さん(95)について、福岡高裁宮崎支部(矢数昌雄裁判長)は5日、再審開始を認めない決定をした。事故死とする弁護側の主張を退けた鹿児島地裁決定を支持し、請求を棄却した。

「大崎事件」再審開始認めず 服役95歳女性、第4次請求―43年前の殺人事件

 元夫(故人)の再審開始も認めなかった。弁護側は決定を不服として最高裁に特別抗告する方針。
 確定判決によると、原口さんは79年10月12日深夜、元夫ら親族と共謀し、日ごろから快く思っていなかった義弟の男性=当時(42)=の首をタオルで絞めて殺害し、翌日未明に遺体を牛小屋の堆肥の中に埋めた。男性は殺害の約2時間前、泥酔して町内の側溝近くに倒れているところを近隣の2人に発見され、自宅に運ばれていた。
 弁護側は、当時の司法解剖の写真を救急医が鑑定し、男性は側溝への転落事故で頸髄(けいずい)を損傷するなどして自宅に運ばれた時点で死亡していたと主張した。
 矢数裁判長は、遺体の腐敗が著しいことから「当時の解剖で収集された情報は極めて限定的だった」と言及した上で、弁護側の鑑定について「遺体を直接検分しておらず、解剖時に撮影された12枚の写真に基づいている」と問題点を指摘。「死因や死亡時期を高い蓋然(がいぜん)性で推論するような決定的なものとは言えない」と判断し、新証拠と認めなかった。
 事件では、第1次の地裁、第3次の地裁、高裁宮崎支部は再審開始を認めたが、いずれも上級審で覆された。

関連記事

こんな記事も

社会

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ