気力でつかんだ16強 諦めなかった西岡―全仏テニス
2023年06月03日23時02分
苦しみ抜いた末に、16強にたどり着いた。西岡は約3時間40分の激闘に終止符を打つと、赤土のコートに倒れ込んで雄たけびを上げた。「最高の気分。僕の試合はいつも長くて厳しい。でも、決して諦めなかった」
先取された後の第2セット。5―5の第11ゲームで相手のライン際のショットが入ったと判定された。西岡は審判に猛抗議するも判定は覆らず。ブレークを奪われて追い込まれたが、第12ゲームでブレークバック。タイブレークも3―6から逆転する粘りを見せ、約70分に及んだこのセットを物にして相手への流れを食い止めた。
「気力の勝負になる」と覚悟した通り、パワーで勝る相手の強打をしぶとく拾った。左脚の付け根に痛みを抱え、ラケットを地面に投げ付けるなど怒りをぶつけながらも、心は折れなかった。1回戦で第2シードのメドベージェフ(ロシア)を破った新鋭は疲労から勢いが次第に落ち、最終セットは西岡の一方的な展開だった。
戦後では、日本勢で錦織以来となる全仏男子シングルスの4回戦進出。「2回目の挑戦になる。良い状態で挑み、ベストなテニスをしたい」。全豪オープンでたどり着けなかった8強をにらんだ。(パリ時事)