記録廃棄は「怠慢」 児童殺傷遺族、最高裁説明に―神戸
2023年06月02日22時04分
神戸市で1997年に起きた連続児童殺傷事件などの記録が廃棄されていた問題で、最高裁の担当者が2日、神戸家裁(神戸市)を訪れ、事件で土師淳君=当時(11)=を亡くした父守さん(67)に、廃棄に関する調査結果と再発防止策を説明した。終了後に記者会見した守さんは、「(記録を)積極的に残す形にはなっていなかった。怠慢だ」と批判した。
守さんによると、最高裁の担当者が先月25日に公表した報告書の内容について説明したといい、「非常にきちんと調査した上で、どうやって保存していくかの方針が書いてあった。きちんとした報告書だったと感じている」と評価した。その上で「(職員らが)いまの気持ちを持ち続けることが今後のために重要だと思う」と話した。
報告書では、連続児童殺傷事件の記録廃棄について、判断権を持つ家裁所長が十分関与していなかったことが判明。守さんは、判断権を持つことを知らなかったという所長について「怠慢だと思う」とした上で、職員らに「歴史的な資料だという考え方が欠けている」と批判した。