年内は上昇方向=三井住友信託銀行マーケット・ストラテジスト瀬良礼子氏
2023年06月02日14時27分
株式市場の方向性は目先、上昇とみる。海外投資家の買いがこの先も数カ月続くことは厳しそうなので大幅ではないが、買い遅れている国内の投資家は下値を拾うだろう。日経平均株価は年内、3万円を切ることはなさそうで、上値は瞬間的に3万5000円あたりまで射程圏内に入る。年末は3万3000円程度ではないか。
世界の景気は欧米でかなり利上げしているので、楽観できない。今年は少し減速し、米国でも小幅な後退が起きるだろう。ただ、利上げはほぼ打ち止めで、深刻な景気後退には陥らないとみる。
一方、東京株はコロナ禍からの回復が欧米から相当出遅れたことで消極的な選択として買われている。また、東証による株価純資産倍率(PBR)1倍割れ企業への改善要請もプラス要因だ。国内経済は名目GDP(国内総生産)が過去最高水準、金融政策で緩和状態が続くとみられることも材料視されている。