紫外線で光る「北海道石」発見 新種鉱物、国際機関に登録―相模中央化研・阪大など
2023年06月02日13時32分
北海道内で新種の鉱物を発見し、「北海道石」と命名したと、公益財団法人「相模中央化学研究所」(神奈川県綾瀬市)や大阪大などの研究グループが2日までに発表した。紫外線を当てると鮮やかな黄色や黄緑色に光るのが特徴で、国際鉱物学連合に1月、新鉱物として承認、登録された。
新鉱物は、北海道愛別町で採掘された岩石と鹿追町で採取された宝石のオパールに含まれていた。昨年分析した結果、それぞれに最大2ミリ程度の炭素や水素などの元素で構成される「有機鉱物」が発見された。鉱物のほとんどは「無機鉱物」と呼ばれるもので、「有機鉱物」が見つかるのは珍しいという。
研究チームによると、有機鉱物は石油などにわずかに含まれる物質「ベンゾペリレン」の結晶だった。地層中にあった植物の化石が、火山の地熱などを受けてできたとみられており、石油ができる仕組みと似ているという。
同研究所の田中陵二主任研究員は「石油が生成される詳細なメカニズムは分かっていない。北海道石が形成される過程を調べることで、メカニズム解明の一つの手だてになるかもしれない」と話している。