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AIでナスカ地上絵特定 肉眼より大幅時短―山形大

2023年06月02日13時31分

AIを活用して特定された鳥の地上絵(山形大提供)

AIを活用して特定された鳥の地上絵(山形大提供)

 南米ペルー南部の世界遺産「ナスカの地上絵」の研究所を持つ山形大は2日までに、日本IBMと共同で、人工知能(AI)のディープラーニング(深層学習)技術を活用して地上絵4点を特定したと発表した。従来は広範囲にわたる航空写真を肉眼で分析していたが、AIを活用することで特定にかかる時間を大幅に短縮できたという。研究成果は考古学の国際学術誌に掲載された。

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 AIで地上絵の候補を特定する実証実験は2018年から実施。絵柄はそれぞれ異なり複雑なため、細かく分割して単純化した画像をAIに学ばせて、地上絵を自動的に検出できるモデルを作成した。
 特定した4点は脚(78メートル)、魚(19メートル)、鳥(17メートル)、人型(5メートル)で、人型以外の3点の写真が公表されるのは、今回掲載された論文が初めてという。
 同研究所はこれまでに358点の地上絵を発見している。山形大の坂井正人教授(文化人類学・アンデス考古学)は「人間の力では20年以上かかる作業が1年でできることが分かった。調査は加速して進んでおり、より多く発見されれば地上絵が描かれた意味まで分かってくるだろう」と期待を示した。

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