強制不妊、二審も原告敗訴 「除斥」適用、国賠請求認めず―仙台高裁
2023年06月01日18時22分
旧優生保護法に基づき不妊手術を強制されたとして、宮城県の60代と70代の女性2人が国に計7150万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が1日、仙台高裁であった。石栗正子裁判長は請求を棄却した一審仙台地裁判決を支持し、控訴を棄却した。強制不妊を巡る訴訟の高裁判決で、原告側敗訴は初めて。原告側は上告する方針。
「納得できない」敗訴に憤り 仙台高裁判決に原告ら―強制不妊訴訟
同種訴訟は全国12の地裁・支部で起こされ、高裁判決は5件目。昨年2月の大阪高裁以降、4件はいずれも国に賠償を命じていた。
石栗裁判長は旧法について「子を産み育てるか否かを意思決定する権利を侵害するもので、著しく不合理なものだ」と指摘。一審に続き、違憲と判断した。
その上で、不法行為から20年が経過すると損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」の起算点に関し、原告が手術を受けた時点と判断。原告2人が提訴した時点で除斥期間が経過していたとした。