通行人「素通り」に批判　路上で１６歳女性惨殺―インド

　【ニューデリー時事】インドの首都ニューデリー郊外の路上で、１６歳の女性が交際していた２０歳の男から刃物で執拗（しつよう）に刺されるなどして殺害された。事件の残忍さに加え、多くの通行人が女性を助けようとしなかったことが、インド社会に波紋を広げている。

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　報道によると、事件は５月２８日夜、北西部の住宅密集地にある狭い路地で発生。被害者の女性は自宅から数百メートル離れた友人宅に向かう途中、待ち伏せていた男に襲われた。男は刃物で女性を十数回刺し、倒れてからも蹴ったり石で殴ったりした。
　一部始終を近くの防犯カメラが捉えていた。約１分３０秒の映像では、１０人以上がそばを通ったが、足早に去るか遠巻きに見る人がほとんど。この様子をメディアは批判的に報じ、ＳＮＳ上でも怒りの声が上がった。
　親族の結婚式のため現場近くを訪れていた自営業のディーパック・クマールさん（３４）は「通行人は男からの反撃を恐れたのかもしれないが、１０人も集まれば（犯行を止められ）被害者が亡くなることはなかった。もし自分がいたら止めていた」と語った。
　２人には別れ話を巡るトラブルがあったと報じられている。殺人容疑で逮捕された男は、事件を後悔する様子を見せていないという。被害女性の母親は、地元紙ヒンドゥスタン・タイムズに「（男には）死刑以外の何も望まない」と話した。