日本ハムの加藤豪、鮮やか２連発　２８歳のオールドルーキー―プロ野球

　鮮やかな２打席連発だった。日本ハムの加藤豪が、日本での初アーチから立て続けにソロを放った。「人生初。まさか２打席目も入るとは」。米大リーグでは打てなかった一発をマークし、夢見心地だった。
　まずは１点差に迫られた直後の三回、高めの球を振り抜いた。五回は内角に入ってくるスライダーを仕留めた。バットを寝かせ、肩で担ぐように構える独特のフォームから、いずれもシャープに捉えて右中間席へ。２本目には新庄監督も「びっくりしたよ」と笑顔で振り返った。
　複数球団を渡り歩いた米マイナーでは通算５５本塁打をマーク。監督の強い希望でドラフト３位指名を受け、メッツ傘下３Ａから加入した。「僕は勝ちにいくためのバッター。いろいろなことができる」と自負する。転々としたチームそれぞれに合う打者を目指すうちに、ミートする力に加えて長打もある選手に成長できたという。
　２８歳で迎えた日本球界１年目は、３月に右脇腹を痛めて開幕に出遅れた。５月２５日の１軍昇格まで支えてくれたスタッフへの感謝を忘れず、「いろいろな人が協力してくれたからここにいる。本当に幸せ」。結果で恩返しし、言葉には実感がこもった。