「異なる男性の車に女児2人」 再審請求審、目撃者が証言―飯塚事件
2023年05月31日19時11分
福岡県飯塚市で1992年、失踪した女児2人の遺体が見つかった「飯塚事件」で、殺人罪などで死刑が確定し08年に執行された久間三千年元死刑囚=執行時(70)=の第2次再審請求審で、検察と弁護側を交えた3者協議が31日、福岡地裁(鈴嶋晋一裁判長)であった。弁護団によると、新証拠とする目撃男性への証人尋問が行われ、男性が「元死刑囚とは異なる特徴の男性が女児2人を車に乗せているのを見た」と述べた。
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弁護団によると、証言したのは、福岡県古賀市の木村泰治さん(74)。失踪当日の92年2月20日、飯塚市と篠栗町を結ぶ道で、丸刈りの小柄な男性が運転する白い軽乗用車を追い越した際、後部座席に赤いランドセルを持った小学1年生ぐらいの女児2人を見たと説明した。後日、新聞報道で被害者2人の顔を見て「間違いない」と感じた一方、95年の初公判で見た元死刑囚は「自分が見た人物と全く違うと確信した」と証言した。
協議後に記者会見した木村さんは「久間さんや女の子たちの無念を晴らしたい。早い再審開始を願っている」と語った。徳田靖之弁護士は「証人尋問ができたことは、われわれの主張に裁判所が耳を傾けていることの証拠だ」と述べた。