遺族と中日本高速社員が対話 笹子トンネル事故後初
2023年05月31日18時02分
中央自動車道笹子トンネル(山梨県)で2012年、天井板が崩落して男女9人が死亡した事故の遺族が5月、中日本高速道路(名古屋市)の社員と面会し、事故後の思いなどについて対話した。同社の小室俊二社長が31日の定例記者会見で明らかにした。幹部や担当者以外の一般社員が遺族と面会したのは初めてという。
同社によると、対話は10日に横浜市内で行われ、遺族2人と事故当時から同社に在籍している40~50代の社員15人が参加。遺族は事故発生から現在までの思いや、社員に期待することなどについて話した。社員からは安全性向上の取り組みや、事故後の意識の変化などについて説明した。
遺族側が長年にわたって社員との直接対話を要望していたという。小室社長は「お互いに意見交換することが、事故の教訓の風化防止、安全性向上につながるのではないか」と述べた。今後の開催も検討するとしている。