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被災者「教訓学ばず」 老朽原発地元は期待と不安

2023年05月31日16時27分

廃炉に向けた作業が続く東京電力福島第1原発1号機=1月30日、福島県大熊町

廃炉に向けた作業が続く東京電力福島第1原発1号機=1月30日、福島県大熊町

 既存原発の「60年超」運転を事実上可能とする「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」が31日、成立した。東京電力福島第1原発事故の被災者らからは「教訓を学んでいない」と憤りの声が上がった。

原発延長法が成立 60年超運転可能に―福島事故後のルール緩和

 運転期間を「最長60年」とした制度は、福島第1原発事故が契機だった。福島県いわき市から前橋市に自主避難した、原発避難者訴訟元原告の丹治杉江さん(66)は、「事故の重大さを突き詰めていかないといけないのに、たった12年で方針転換とは」と憤った。
 浪江町から福島市に避難している60代の男性も「専門家や国会議員が危険性を本当に理解しているのか疑問。すっかり忘れてしまったのではないか。エネルギー政策の体制が事故前に逆戻りしていくようで怖い」と危機感を示した。
 一方、今後稼働する可能性がある原発としては国内で最も古い、関西電力高浜原発1、2号機を抱える福井県高浜町では、地域活性化への期待と、安全面での不安が交錯した。
 町内の男性(57)は、「町のためには良かった。安全などで不安があるのも事実だが、地域の活性化という意味でも、ためになっている」と評価。関電に対しては「情報公開をしっかりしてほしい。外から常に監視する機関などとも連携を強めてほしい」と注文した。

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