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鍛え抜かれた足腰 霧馬山、求められる対応力―大相撲・草原からの飛躍(下)

2023年05月31日07時18分

横綱審議委員会による稽古総見での霧馬山(左)と照ノ富士=5月4日、東京・両国国技館

横綱審議委員会による稽古総見での霧馬山(左)と照ノ富士=5月4日、東京・両国国技館

  • 大関昇進を確実にした霧馬山は3度目の技能賞に輝いた=28日、東京・両国国技館

 足腰の良さとスタミナが、霧馬山の強さの源泉だ。「稽古では、とにかく前に出る」。出足の強化に取り組み、ここ数場所の安定した成績につなげた。下半身が崩れず、土俵際の粘りも光る。

【大相撲 新星探査】霧馬山 けがを転機に、凱旋を励みに(2017年)

 土俵での稽古以外でも、努力を重ねた。東京都内のジムに通って鍛錬。床に置いたバーベルを下半身の力で持ち上げるトレーニングでは、負荷が3年前の150キロから200キロに。トレーナーを務める小川晃司さんは「力強さが増している」と太鼓判を押す。
 得意の左四つにこだわらず、突き押しでも攻めるといった器用さを併せ持つ27歳。所属する陸奥部屋付きの鶴竜親方(元横綱)は、思い描いた通りに体を動かせることが最大の強みだとみる。「いろいろな相撲を取れる。何でもできるし、運動神経もいい」と強調した。
 朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜、照ノ富士と、大関に昇進したモンゴルの先輩はいずれも番付の頂点を極めた。優勝を争った夏場所は14日目に照ノ富士に屈し、対戦成績は10戦全敗に。さらに上を目指す上で、超えなければならない壁になるだろう。
 最近は正代、御嶽海らが短期間で大関から転落した。鶴竜親方は「いろいろな対応の仕方を覚えていく必要がある」と課題を挙げる。「もっと強くなりたい。稽古しかない」とは霧馬山。看板力士としての責任を果たすため、己と向き合う日々が始まる。

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