中国、米国との国防相会談拒否　関係改善に冷や水

　【ワシントン時事】米国防総省は２９日、中国政府が李尚福・国務委員兼国防相とオースティン米国防長官の会談を拒絶したと発表した。両氏は６月２～４日にシンガポールで開かれるアジア安全保障会議（通称シャングリラ会合）に出席する予定で、米国が同地での会談を打診していた。

米中、国防相会談を調整　６月に、歩み寄り機運

　米中関係は、米本土上空を横断した中国の偵察気球を米軍が２月に撃墜してから一段と悪化。その後、双方が関係改善を模索していたが、中国が冷や水を浴びせた格好だ。
　国防総省のライダー報道官は声明で「衝突に発展しないよう、米中軍当局間の開かれた意思疎通を維持する重要性を強く信じている」と強調。同省高官は「中国の拒否はこれが初めてではない。２０２１年以降、中国が国防総省首脳の要請に応じなかったことは十数回もある」と明らかにした。