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シリア難民、多くが安堵 エルドアン氏は送還に慎重―トルコ

2023年05月29日20時31分

朝食を食べるトルコのシリア難民=2月24日、トルコ南部ハタイ(EPA時事)

朝食を食べるトルコのシリア難民=2月24日、トルコ南部ハタイ(EPA時事)

 【アンカラ時事】28日のトルコ大統領選でエルドアン大統領が再選され、隣国シリアの内戦から逃れてきた多くの難民が安堵(あんど)している。野党側が選挙公約の柱の一つとして強制送還を訴えてきたのに対し、これまで多くの難民受け入れを容認してきたエルドアン大統領は強制送還には否定的な姿勢を示してきたためだ。

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 エルドアン氏は勝利演説で、シリア難民について「送還を望むトルコ市民がいることは理解している」と述べた上で、これまでに60万人が「自発的にシリアの安全な地域に戻った」と説明。今後もカタールと協力し、シリア北部のトルコ支配地域で「新たな入植計画を進め、数年間で100万人が戻れるようにしたい」と強調した。
 トルコでは現在、約350万人のシリア難民が滞在しているとされる。アンカラのシリア人居住区で暮らすモハマド・ニギラウィさん(28)は「再選は本当にうれしい」と声を弾ませた。レバノンから送還された難民がシリアでアサド政権に拘束される事例が相次いでいると指摘し、「野党統一候補のクルチダルオール氏が勝つ展開は恐ろしかった。(居住区では)皆救われた気持ちになっている」と話した。
 エルドアン政権下では2011年以降急増したシリア難民の一部に市民権を与える動きも進み、最近の選挙では政権支持層の一角を占めるに至っている。野党支持者からは「難民保護は選挙目的だ」と批判する声も聞かれる。

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