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プーチン氏、エルドアン氏続投に安堵 ロシア・ウクライナ仲介期待―トルコ大統領選

2023年05月29日20時31分

トルコのエルドアン大統領(左)とロシアのプーチン大統領=2020年3月、モスクワ(AFP時事)

トルコのエルドアン大統領(左)とロシアのプーチン大統領=2020年3月、モスクワ(AFP時事)

 トルコ大統領選の決選投票で現職のエルドアン氏が勝利したことに、ロシアのプーチン大統領は安堵(あんど)したとみられる。ウクライナ侵攻の出口が見えない中、穀物輸出合意の取りまとめに当たったトルコは貴重な仲介国。政権が交代していれば、北大西洋条約機構(NATO)加盟国でありながらロシアとも協力を深めるトルコの外交方針が、変化しかねなかったためだ。

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 「2国間、地域、世界の課題について、建設的な対話を続ける用意がある」。エルドアン氏が28日に勝利を宣言するや否や、ロシア大統領府は祝電を発表。決選投票にもつれ込んだ激戦をプーチン政権が注視していたことをうかがわせた。
 ロシアとトルコは「地域大国」として中東でたびたび衝突。シリアやリビアの内戦では、互いに対立陣営の後ろ盾となる形でにらみ合った。その一方、対立が沈静化すると自分たちの国益を優先して憎しみを「水に流す」傾向があり、今月10日にはトルコとシリアの外相会談をロシアが仲介している。
 2015年にはトルコがシリア駐留ロシア軍機を撃墜したが、決定的な対立は回避した。ウクライナ侵攻が続く中、北欧へのNATO拡大に慎重だったエルドアン政権の姿勢も、ロシアには好都合だ。
 トルコはウクライナに攻撃ドローン「バイラクタルTB2」を供与。軍事・外交面で一定の支援を受けるゼレンスキー大統領も28日、エルドアン氏に祝意を示した。
 西側諸国とロシアの間で独自外交を展開するトルコに期待するのは、プーチン政権も同じで、国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状を発付されたプーチン氏が、4月にICC非加盟のトルコを訪問する可能性が取り沙汰されたほど。祝電は「ロシアとトルコの友好関係と互恵的協力の強化に当たった貢献を高く評価する」とエルドアン氏を持ち上げた。

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