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中日の福、難病から復活 感謝のサインボール―プロ野球

2023年05月29日16時11分

8回、力投する中日の福=26日、バンテリンドームナゴヤ

8回、力投する中日の福=26日、バンテリンドームナゴヤ

  • DeNAとの試合後、ヒーローインタビューを受ける中日の福(中央)=26日、バンテリンドームナゴヤ

 難病の黄色靱帯(じんたい)骨化症から復帰した中日の福敬登投手(30)が、好救援を続けている。今季12試合の登板で1勝0敗、5ホールド、防御率1.13(29日現在)。2020年の最優秀中継ぎ左腕は輝きを取り戻した。

難病から復帰、DeNAの三嶋快投

 昨年は36試合で防御率4.55と振るわず。9月ごろから左足にしびれなどを感じ、病気が判明。10月下旬に手術を受けた。リハビリを経て、今年4月に2軍で実戦復帰。5月に1軍昇格すると、初登板で1回を無失点に抑え白星もついた。
 26日のDeNA戦は圧巻だった。1点リードの八回1死二塁で登板。佐野を内角低め直球で見逃し三振、関根は外角スライダーで空振り三振に。左の好打者2人を抑え込み、今季初の零封勝ちに貢献した。
 その日のヒーローインタビューで、異例の行動に出た。お立ち台を降り、DeNAファンが残る左翼席に向かって「皆さま、ならびに三嶋(一輝)選手のおかげで、ここまで投げられるようになりました」と感謝を口にして一礼。同様の内容を記したサインボールも投げた。
 同じ病気を経験した三嶋とは、情報を共有する間柄。4月の横浜スタジアムでの対戦では、ヒーローとなった三嶋が「福投手もきっと大丈夫」と書いたボールを中日応援席に投げていた。SNSで話題となり、知った福は「もっと頑張ろうという気持ちになった。(恩返しの)機会をいただいたので筋を通そうと」。
 病を患う前は、打たれるとベンチの備品を殴るなど心の浮き沈みがあった。治療期間で精神面の勉強をしたそうで、「今は心に余裕がある。投げたい球を投げられて、打者との勝負を楽しめている」と好調の要因を明かす。苦しみを乗り越え、たくましくなって帰ってきた。

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