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指導力に期待、強権が影 続投のエルドアン大統領―トルコ大統領選

2023年05月29日13時30分

28日、アンカラのトルコ大統領府で、支持者に手を振るエルドアン大統領(ロイター時事)

28日、アンカラのトルコ大統領府で、支持者に手を振るエルドアン大統領(ロイター時事)

 2003年に政権を掌握して以来、20年以上にわたって国政をけん引してきた。強権的な振る舞いが非難されるが、これを「卓越した指導力」と見なして支持する国民も多い。憲法の規定に従えば、28年までの5年間が最後の任期。国力を「世界トップ10にする」という目標を掲げ、長期政権の総仕上げを図る見通しだ。

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 1954年、イスタンブールの保守的な家庭に生まれる。イスラム系政党に所属して政治活動を開始し、94年にイスタンブール市長に当選。市長時代に貧困対策や都市基盤整備で辣腕(らつわん)を振るい、建国の父ケマル・アタチュルク以来のカリスマ的指導者として一気に存在感を高めた。
 97年にイスラム的な詩を朗読したことが市民の「憎悪をあおった」罪に問われ、一時投獄される。建国以来の世俗主義に違和感を抱いていたイスラム保守層の間でかえって人気は高まり、自身が創設した公正発展党(AKP)は02年の総選挙で大勝。03年から11年間にわたって首相を務め、14年には初の直接選挙による大統領選で当選した。
 一方、13年の大規模反政府デモや16年のクーデター未遂事件を経て、政権反対派への抑圧を強めていく。17年の憲法改正で権力を大統領に集中させる「実権型大統領制」を導入すると、自由や言論を抑制する動きに一段と拍車が掛かり、強権を嫌う優秀な人材の国外流出も深刻化。国力増強にも影を落としかねない状況となっている。

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