経験重ね、特別な勝利 タスティエーラ、理想の展開―競馬日本ダービー
2023年05月28日20時22分
全てが思惑通りだった。タスティエーラは5番手付近でレースを進め、脚をためた。残り300メートルを切ってレーン騎手のゴーサインに反応すると、一気に先頭へ。無敗でクラシック2冠を目指したソールオリエンスの猛追を首差でかわした。
「理想のレースができた」とレーン騎手。1000メートル通過は1分0秒4。スローペースでもしっかり折り合いをつけ、持ち味とする粘り強さを引き出した。初コンビで日本ダービー制覇は69年ぶり。短期免許で来日中のオーストラリア人は「特別な勝利」と実感を込めた。
タスティエーラは休養明け2戦目の3月に重賞初勝利を挙げ、4月の皐月(さつき)賞は2着だった。厳しいローテーションの中で調教を重ねて成長。堀調教師は「経験を積んでステップアップして、結果を出した。感動している」とたたえた。
国内外でGI2勝を挙げたサトノクラウンの種牡馬初年度の子。堀調教師は「厩舎(きゅうしゃ)としてもうれしい。まだまだ頑張ってくれれば」。自身が管理した馬の子どもがビッグタイトルを獲得した喜びに浸った。