米債務問題、市場待望の合意 法案通過まで気抜けず
2023年05月29日09時06分
【ニューヨーク時事】バイデン米大統領と野党共和党のマッカーシー下院議長が27日、難航していた債務上限引き上げ問題を巡り原則合意し、株式市場はとりあえず好材料として受け止める見込みだ。ただ、与野党双方に反発の声も上がるとみられ、市場関係者は法案の議会通過までその行方に神経質になりそうだ。
米下院議長、野党共和党「大多数が支持」 債務上限引き上げ合意
イエレン米財務長官は26日、「議会が6月5日までに引き上げなければ、財務省には支払い義務に応じる十分な資金がない」と警告。格付け大手フィッチ・レーティングスは5月24日、米国債の格付け見通しを引き下げた。ニューヨーク株式市場では、米国債が史上初のデフォルト(債務不履行)に陥るリスクが日増しに意識され、ダウ工業株30種平均が25日まで5営業日続落していた。
29日のメモリアルデーの祝日を含む3連休までもつれ込んだ与野党協議が原則合意に至ったことは「デフォルト懸念払拭(ふっしょく)と素直に受け止められれば株高だろう」(邦銀エコノミスト)と、投資家心理の改善を想定しやすい。
だが、合意内容への共和党内の反応は不透明。マッカーシー氏が31日に法案採決を行う意向を示す中、市場はなお、債務上限問題に一喜一憂し続けそうだ。