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「三浦賞」10年、いまだ受賞ゼロ 冒険家表彰、安倍政権が創設

2023年05月29日07時03分

冒険家の三浦雄一郎さん(左)からエベレスト登頂記念のお土産を贈られる安倍晋三首相(当時)=2013年6月6日、首相官邸

冒険家の三浦雄一郎さん(左)からエベレスト登頂記念のお土産を贈られる安倍晋三首相(当時)=2013年6月6日、首相官邸

 6月に創設10年を迎える「三浦雄一郎記念日本冒険家大賞」の該当者がいまだに現れない。優れた冒険家を対象に安倍政権の肝煎りで始まったが、受賞ゼロの政府表彰は「聞いたことがない」(内閣府)という異例の事態だ。原因として、厳しい選考基準に加え、創設当時の政治状況も絡んでいる。

〔写真特集〕プロスキーヤー&冒険家 三浦雄一郎

 同賞は、世界最高峰のエベレストに2013年、史上最高齢の80歳(当時)で登頂した三浦さんの偉業をたたえたもの。「大自然で人間の可能性にチャレンジし、国民に夢や希望、感動を与える顕著な業績のあった者」が条件となっている。
 内閣府は、受賞ゼロの理由について「当てはまる人がいない。ぽんぽん出せる賞ではない」と説明。首相が贈る賞のため、求められる知名度などハードルは高い。
 当時の政治的な事情も背景にありそうだ。安倍政権は12年末の発足後、半年間で国民栄誉賞を計3人に授与。これが「政権浮揚策」と批判を受けたため、別の表彰手段を急きょ設けたとの見方もある。
 当事者側は初受賞を待ち望む。世界的冒険家の故植村直己さんをたたえる「植村直己冒険館」(兵庫県豊岡市)は「受賞し得る人は大勢いる」と指摘。三浦さんは「宇宙など人類の可能性を押し広げる方に声を掛けてほしい」とコメントした。

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