驚き、喜び、ハイタッチ 役所さん「頑張らなきゃな」―カンヌ映画祭
2023年05月28日12時47分
【カンヌ時事】27日夜(日本時間28日未明)に行われたカンヌ国際映画祭の授賞式。ビム・ベンダース監督の「パーフェクトデイズ」に主演し、男優賞に輝いた役所広司さんは審査員から名前を呼ばれた瞬間、客席で大きな口を開けて驚きの表情を浮かべた。しかしすぐに満面の笑みに変わると、周囲の関係者らとハイタッチで喜びを分かち合った。
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受賞スピーチでは、まず「僕は賞が大好きです」とジョークで会場を沸かせ、「監督とカメラマンが導いてくれた」と感謝。最後はトロフィーを抱え「これもらって帰ります」と笑顔を見せた。客席のベンダース監督は、晴れ舞台に立つ役所さんを感極まった表情で見詰めた。
終了後、取材に応じた役所さんは、映画を見た人から「とても良かったと褒められ、ひょっとしたらあり得るかな」と期待していたと明かした。ただ、授賞式はフランス語で「いろんな人の名前が挙がっていたので、ああ、だめだったんだなと思った」。その矢先に名前を呼ばれ、「びっくりした」と振り返った。
日本人がカンヌで男優賞を獲得するのは、2004年に史上最年少の14歳で受賞した柳楽優弥さん以来2人目。役所さんは「やっと柳楽君に追い付いたかな」と笑わせながら、「この賞に恥じないように頑張らなきゃな」と気持ちを引き締めた。
カンヌ映画祭に参加した是枝裕和監督は、役所さんの受賞について「本当にうれしい。もっと早く取っても良かった」と語った。